へら絞りでは手絞りと自動絞りとを使い分けて製品を加工しますが、それぞれの利点と弱点を書きます。
手絞りの利点の1点目は、段取り時間が短いこと。数分でできます。
2点目は木型で絞れること。金型に比べてかなり安く速くできます。(精度、数、形状にもより金型しかできないこともあります。)
3点目は力加減が自在なため金型に焼きを入れなくても鉄板やステンレスの製品の量産が絞れます。
4点目はヘラが鉄や真鍮等を使えるため、(自動機はすべてローラーで絞るので)、材料が比較的伸びません。(へら絞りは材料が伸びることによって絞れますのでまったく伸びないわけではありません。)
弱点ですが、
1点目は熟練を要します。一人前になるのに10年といわれています。
2点目は人間が絞るので、板厚に限界があります。鉄で、3.2t、がんばってステンレスで3tです。パワーは自動機には勝てません。
自動絞りですが、
利点はなんといってもパワーがあることです。
また、量産には最適です。
そして、段取りさえしてしまえば、誰でもできるということです。
弱点ですが、
まず段取りに時間がかかります。最低三十分。長くて2時間はざらです。
また場所をとります。弊社使用の700型の機械で車1台分です。
そして、木型が使えません。一個や二個ならいけますが、力加減が圧力計と見た目しかわからないので、木型は使えません。鉄、ステンレスを絞るなら金型でもほぼ焼入れが必要です。
以上、手絞りと自動絞りの違いを書いて見ました。